ポイント③ 坪単価を理解する

 

 

『どこまで入っての単価なのか、基準は会社によって違う。』

 

広告を見ても、住宅雑誌を見ても、まず目がいくのは坪単価の数字ですよね。

ところで、坪単価って何でしょう?

もちろん、一坪が3.3平方メートルで、畳二帖分の金額ということはご存知でしょうが、私が言いたいのは、この坪単価とは一体何の目安になるのか、ということです。

例えば、『坪単価40万円』と広告に書いてあったとしましょう。あなたが営業マンに、

『本当にこの価格で家が建つの?』と聞くと、営業マンはこう答えるはずです。

『もちろん建ちますよ!(でも住めませんが・・・。)』

( )内の言葉を口に出すかどうかは分かりませんが・・・。

「家は建つ」けど「住めない」ってどういうこと?

その理由はこうです。消費者と住宅メーカーでは、坪単価の捉え方が異なるのです。

消費者にとっての坪単価は無論、家に関する全ての費用を坪数で割ったもの、つまり、すぐに住み始めることができる『家の完成単価』のことです。

 

しかし、住宅メーカーにとっては建物の本体のみを建築する『本体価格の単価』という意味合いが強いのです。つまり、カーテン・照明器具・エアコン等、さらには外回りの附帯設備工事や現場経費は入らないと捉えているのです。しかも、その肝心の『本体価格』に何を含み、何を含まないのかは、それぞれの会社によって違うのです。

 

更に、坪数(面積)の取り方も会社によって異なります。坪単価表示についての明確な法律上の規定があるわけではないので、例えば、バルコニー・吹き抜け・ロフトなどを坪数に入れるかどうかも、それぞれの会社の判断に任されているのです。

 

ようするに、広告で表示されている坪単価とは、その会社が家の建築本体部分(構造体・基本仕様の内装・外装・設備機器など)のうちから任意に取捨選択した内容を、更に任意に判断した坪数(面積)で割った金額を表しているだけのものであり、あなたの家づくりの総予算を知る上では、それほど重要な数字ではないのです。

 

ただ、全くの無意味というわけでもなく、その会社の『本体価格の単価』であることを理解しておけば、家の価格を概算で把握する上では十分な目安となるでしょう。

 

そういうわけで、実は坪単価にはいくつかのカラクリが隠されているので、結局一番重要な金額というのは坪単価ではなく、実際にあなたが家に住み始めるために支払わなければならない総額なのだということです。

 

オプションや経費等もきちんと確認しておくことが重要です。又諸費用(登記費用や火災保険など)も正確に把握しておくことが必要なのです。